ゆるっとねっと。

デザイン学校にも通う女子学生の雑記。

Shopifyは脱Amazonの先駆者となるか

AmazonECサイトに頼らず、自前サイトで顧客に直販する「D2C(ダイレクト・ツー・コンシューマー)」が急成長しています。

今は一つひとつが小さなものだとしても、今後Amazonのような大手企業が握っている市場を席巻する可能性があります。

 

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今月1月、シリコンバレー発のシューズブランド「オールバーズ(Allbirds)」が日本に初進出しました。

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快適性とサステイナビリティ、そして高いデザイン性を兼ね備え、ソールの素材にサトウキビを用いて環境にも配慮していることが話題を呼び、東京原宿の1号店は入場規制するほど好調なスタートを切りました。

 

しかしCOVID-19の流行により、一時店舗を休業せざるを得なくなり、4月1日にオープンする予定だったECサイトを前倒しで3月28日にオープンさせます。

 

当初、店頭でしかECサイトを告知していなかったこともあり、10件程度だと予想されていたオーダーですが、実際は100件を超えるものになりました。

2020年内にEC化比率は5割を達成する見込みで、店舗休業中の減収分を取り込むことができたのことです。

危機を好機に変えられた要因の一つとして、オールバーズがもともとネット通販にも強いD2Cブランドとして知られていたことが挙げられます。

日本進出において、Amazonの選択肢はなく、直販サイトの構築はShopifyを頼ることになりました。

 

 

「俺のフレンチ」だどを展開する「俺の」も、コロナ渦、Shopifyを活用しECサイトを立ち上げました。

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売り出した高級食パンは1日300個を売り上げているようです。事業展開が非常スピーディだと感心します…

 

Shopify日本法人代表マーク・ワング氏は「中小企業がAmazonを利用すると、柔軟性や自由度が失われ苦労しがち」と話していますが、たしかに、私のような個人事業主ECサイトを立ち上げるにはAmazonでショップ開設は少ししんどいという印象です。

 

2004年操業のShopifyはECサイトの構築、在庫管理、決済システムまでを月額29ドル約3000円から提供しています。

 

・サービスの初期費用なし

・使い勝手のよさ

 

という点から、中小企業を中心に175カ国で100万社以上で活用されています。

 Amazonから撤退してD2Cに移行する事業の多くがShopifyを使っているデータもあるようです。

このことから、Shopifyは「Amazonキラー」の異名まで手に入れています。

 

システムが簡単で扱いやすいというのは、地方や老舗にも受け入れられやすいようで、栃木県益子町がGWに開催する恒例イベント「春の陶器市」は、コロナ渦、急きょECサイトを立ち上げました。

 

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昨年は来場者が40万人を超えたそうですが、今年は57万人もの人がECサイトを訪問しています。

 

このように、コロナ渦を機に ECを始める企業は多く、Shopifyの4月国内利用件数は3月を約5割上回っています。

(参考:『EC構築のShopify 「脱Amazon」の先導者』https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60974210Q0A630C2H11A00/)

 

Shopifyがすごいのは、プラットフォーマーとの連携についても積極的であることです。

 

 

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ナイキのようにAmazonから撤退する大手メーカーも今後増えてくるでしょう。

 

国内では「BASE」が存在感を示し、個人でブランドを展開する人の強い味方となっています。

Shopifyと同様、3月下旬から新規ショップ開設が急増しました。

 

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Amazonの強みは「売れ筋のメイン商品の売上よりも、あまり売れないニッチな商品群の売上合計が上回る」ロングテール戦略ですが、D2Cは、どんなに小さな企業でもファンがブランドに価値を見出し、熱狂的に商品を買い続けてくれるという強みがあります。


ShopifyやBASEの台頭を見ていると、アフターコロナの時代、無数のD2Cが市場を侵食していくのかもしれません。